NIKKOR-N 5cm F1.1 修理-その1

NIKKOR-N.C 1:1.1 f=5cm
絞りが破損していることと酷い汚れのせいで、あんまし出番のないレンズ。
ずっとこのままというのも、なんとも寂しいので少しいじってみることにした。
ふだんは古いレンズのカビも味のうち、なんて言って写りによほど問題がでない限りはレンズに手をふれないのだけど。他のレンズと一緒に連れだしても、このレンズだけ結局一度も使われないで帰宅というのが、なんとも忍びない。
ビスを外して外側のパーツをとっていく、レンズの前玉は回転式で回せば外れる。内には絞りがある、外側からビスで止めてあるが外れる。
まずは難のある絞り羽、やはり中で数枚が破損していた。
絞りの羽の押さえのリングはカニ目工具で外す。今回はさほどきつく閉まってなかったので、手もとにあったノギスではずした。
羽を取出すと数枚が折れ、1枚は千切れていた。なるほど、これが原因だったのだな。千切れた絞り羽が挟まり絞れない状態になっていたのだ。

使えそうな残りの絞り羽もベッタリ張り付いていたので、まずはこれを綺麗にはがして掃除。できるだけ綺麗にしてから、柔らかい芯の鉛筆でなでて滑りをよくした後、何回もティッシュで丁寧に拭いて綺麗にした。傷が多少あるだけの羽は、絞り込んだ時にひっかからない位置に組み直してみる。

綺麗にしてたらあっちうまにティッシュがなくなった(笑)
完全に破損していた羽は除去して、足りなくなった分は間隔を合わせて配置しなおした。
3枚、1個とばして、3枚、1個とばして、3枚、1個とばし。で、9枚の変形絞りになったが、これでF1.1からF22まで全域で動くようにはなった。絞り込めれば多少のカビや汚れは気にならないしね。



とはいっても、レンズの真ん中に見える汚れは気になる。開けてみた張り合わせの内側が下の写真、細いマイナスドライバで引っ掛けるとレンズはあっけなくパックリ外れた。

外から見ていたよりもかなりベッタリ。
もともとはレンズどうしが張り合わされていたのか、かなりムラだらけになっている。接着剤らしきクズを吹き飛ばした後、丁寧に水洗い。それでもやっぱりとれない部分が残ってどうしようかなと思ったが、禁断のハイター。数秒漬けては、様子を見ながら。これでどうにか汚れはとれた。
レンズをベッタリはるわけにもいかず、レンズ外周(というか側面)のみにちょこちょことセメダインXを薄く塗り組み付けた。

レンズを組み立てる。
ゴム板でつかむと回しやすい。

各パーツも綺麗にしてやったので、動きが良くなった。

絞りリングのクリックは小さなベアリングが入っている。

裏のストッパー。

さて、まぁ、綺麗にはなったわな。
近々試写して絞りの形状の変化の影響なんかを確認したいな。

デジカメとちがってすぐ確認できないので、ピントガラスなんかをあてて見てみる。
左が35mm、右が修理した50mm。お、以外に良さそう…?


追記: